スキージャンプのW杯で優勝した経験もある高梨沙羅さんが、2023年1月15日に蔵王で行われたW杯でスーツ規定違反で失格となってしまいました。
スーツ規定違反で失格と報道されても、スーツ規定違反とはどのようなことなのかわからない方が多いと思います。
この記事では、スーツ規定違反についてや高梨沙羅さんがスーツ規定違反となってしまう理由について書いていきます。
スーツ規定違反とは?

スーツ規定は、国際スキー連盟によって定められています。
国際スキー連盟(FIS)の規則では「直立姿勢で、スーツ寸法はボディーと一致しなければならず、最大許容差はスーツのあらゆる部分において、ボディーに対しプラス1センチ~3センチ(女子は同2センチ~4センチ)とする」と決められている。
スキージャンプという競技は、スーツのサイズや着方次第では空気抵抗の違いが大きく出てしまい、有利となってしまう場合があります。
また、長野五輪で金メダルを獲得している原田雅彦さんは、意図的に空地抵抗を増やそうとする選手がいるということも明かしています。
競技を行う上で公平性を保たなければならないので、スーツの検査が行われます。
スーツ規定違反は、女子の場合だとボディーとの許容差が5cmとなった時点で失格となってしまうので、そこまで珍しくはありません。
実際に北京五輪では、5人の選手が失格となっています。
スーツ規定は不透明な部分があるため、透明性のあるものにしていくことが課題となっています。
高梨沙羅がスーツ規定違反となる理由
高梨沙羅さんがスーツ規定違反となってしまうのはなぜなのか北京五輪のときと今回のW杯の違反の理由を書いていきます。
北京五輪のときは、太もも周りで規定より約2cm大きかったからで、女子W杯は、ウエスト部分が約2cm大きかったからでした。
北京五輪のときは、スーツを扱う団体の責任だったようですが、1月の女子W杯が行われたときにはルール改定によって腰の内側についていたベルトを外すことになったことで誤差が出てしまったのだと思います。
スーツ規定違反は運営側の問題?

スーツの規定違反は、選手やスーツを扱う団体の問題だと思われがちですが、大会の運営側の問題である可能性があるようです。
運営側の問題だと言われている理由は
- 測り方が決まっていない
- 測る人はランダムで決まる
- 飛んでから検査が行われる
の3つです。
それぞれの理由について書いていきます。
測り方が決まっていない
スーツの規定は、国際スキー連盟によって定められていると先程書きましたが、スーツの測り方に関しては定められていません。
実際に、高梨沙羅さんもスーツの測り方が決まっていないと話していたことがあります。
「決まった測り方がないので、コロコロ変わっているなという感じではあります。コントローラー(計測者)はいつも一緒で、測り方が変わるんですよね。(北京)オリンピックは特殊な測り方だったし、ワールドカップ(W杯)はまた違う測り方だった。その(測定方法の)認識を(計測者と)スーツを作っている人と合わせないと」
引用:高梨沙羅「スーツ規定違反」国内でも失格 北京五輪からたび重なる事態…同情の声続出(東スポWEB) – Yahoo!ニュース
スーツの測り方が人によって変わってしまうことが失格者が出やすくなってしまう理由だと思います。
測る人はランダムで決まる
スーツの検査は、大会に参加している全選手が行われるわけではありません。
過去には、全選手行っていたこともあったようですが、測定量や作業量に限界があり、現在ではランダムに選ばれて検査されるという形になっています。
多くの場合は、大会参加選手のうち3名~5名が選ばれ、検査を行うのだそうです。
しかし、選出の仕方や理由が明確化されないことから故意的に選出しているという噂も出てきています。
検査対象にした理由などを明確化すれば、納得する人も増えると思うので、今後は理由を明確化してもらいたいですね。
飛んでから検査が行われる
スーツの検査は、競技終了後に行われており、八百長や忖度などをすることは可能なのではという意見が出ています。
飛んだ後に検査を行うということは、上位者をまとめて検査をして失格とさせることも可能ということになります。
飛ぶ前に検査を行ってはいけない明確な理由がないのであれば、八百長や忖度の疑いが出ないようにするためにも飛ぶ前に検査を行うようにしてもらいたいですね。
高梨沙羅のスーツ規定違反は何度目?
高梨沙羅さんのスーツ規定違反は初めてではなく、今回で4度目となります。
初めてスーツ規定違反で失格となったのは、2021年のオーストリアで行われたW杯ででした。
その後、北京五輪、ドイツグランプリ、蔵王で行われたW杯と合計4度の失格を経験しています。
毎日スーツの測定をしたりと細心の注意を払っているようですが、なぜか失格となってしまうようです。
絶対失格にならないように、毎日メジャーメントしてもらって、その試合当日も測ってもらって、『大丈夫だね』と言って行ったんですけど、ダメだった。
引用:高梨沙羅は2本目終了後にスーツ規定違反で失格に 自国開催大会で再び悪夢 W杯蔵王大会(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース
高梨沙羅さん側に問題はなく、測り方に問題がある可能性が高いですね。
北京五輪のときは中国の嫌がらせだった?
高梨沙羅さんは、北京五輪のときに103メートルの大ジャンプを決めたあとにスーツ検査で失格となっていました。
その後、優勝候補だったドイツ、オーストラリア、ノルウェーの選手も失格となっています。
ここまで多くの国の選手が失格となるのは珍しいことで、強豪国ばかりが失格となったことで中国の嫌がらせだと言われています。
結果として中国はメダル獲得とはなりませんでしたが、ロシアが銅メダルを獲得したことで、ロシアのために失格にしたのではという噂もあります。
測定を行ったのが中国人だという証拠は一切ありませんが、開催地が北京であったことから嫌がらせをされたと感じた方が多いようです。
高梨沙羅のスーツメーカー
4度も失格となってしまっている高梨沙羅さんですが、スーツのメーカーはどこなのでしょうか。
スーツのメーカーは、ミズノです。
北京五輪のときのスーツは、ミズノに加え、日本スポーツ振興センターと全日本スキー連盟も協力して作成していました。
しかし、結果として規定違反となってしまいました。
毎日計測を行って、微調整を行っているのにも関わらず失格となっていまうのは、それほどシビアということなのかもしれませんね。
まとめ
今回は、高梨沙羅さんがスーツ規定違反になったことについて書いてきました。
何度も失格となっていまうのは悲しいことですが、実力は確かなので今後のW杯や五輪でメダルを獲得できるように頑張ってもらいたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
